January 23, 2010 9:00 PM

昔々①

NY夜景.jpg

記憶はうすれていきますよね。

その時辛かった事や、残念ながら嬉しかった事も。

若い時の勢いで、昔ちょっとだけNYに行ってた時があります。

英語もろくに喋れず、貯金も殆んどなく、手にはバック2つ。他に何もなし。

一応ビザは取得して、就職先も約束を取り付けてから行ったのですが、

最初それは悲惨なNY生活だった。

「憧れの海外生活」なんて夢見ていたものはしょっぱなから打ち崩されてしまった。

最初に借りた部屋には天井を10匹ぐらいのゴキブリが毎日散歩していて、

次に借りた部屋では突然トイレの天井から水漏れ?滝?が降ってきて、

次に借りた部屋ではネズミも一緒に生活していました。

そんな記憶は今となっては楽しい思い出にしかなってませんが。

ご存じの通り、NYのヘアサロンでは給料とは別にチップ制度があり、

言葉が出来ない自分にはシャンプーしか出来ない。だからチップも少なくなるわけで。

チップが少ない日には、ピザ一切れ&ミネラルウォーターが夕食。

チップいっぱい稼いだ時は、日本食レストランで定食&バドワイザー。

美容師は、日本でもNYでも仕事出来ないうちは似たような生活です。

その後、英語も少し覚えて、アジア系のお客様にはカットを入らせてもらって、

少しずつ指名のお客さまも増えて行き、生活も若干まともになってきて、

それからは少しだけ海外暮らしも楽しくなってきた。

NYコレクションのバックステージにも参加させてもらったり、

予想外に沢山のお客様にもご来店いただいていた。

ただ無我夢中で、何も考えずに必死だった。

そんな時期は長く美容師を続けてきた人には誰にだってある経験で、

NYでも日本でもそれは一緒。

そんな時期を、辛いと思えば辛いし、大した事無いと思えば、後に残るのは楽しい思い出だけ。

「仕事」=「稼ぐ」=「生きる」しか見えなかったNY生活だった。

美容師って、働くって、そんな単純な事だけではないのでは・・・?と疑問を抱き、

NY暮らしは2年くらいで終わらせた。

確実に言える事は、今ならなお更言えるのは・・・日本のヘアサロンは本当に素晴らしい!

勿論、それぞれの国にはさまざまな文化があり、美容師に求められる部分も違う。

そんな中で日本の美容は何時か世界を変えられる!そんな可能性だってある!と確信する。

(話は大きくとんでしまっているのだけれど・・・)

当時私が短い期間で感じた、日本のヘアサロンとの違いは、

美容師は髪のプロであって、お客様の髪を責任もって担当する以上、

まず、デザイン提案の面ではしっかりとお客さまにプロの考えを聞いて頂く。

結果としてお客様の想像以上の仕上がりで応える。

お客様と美容師の関係が、日本とNYのそれとは大きく違うように感じた。

日本だったらクレームを頂きそうなくらいの口論をやっているように見えたのに、

帰る時は満面の笑顔で帰って行くお客様の姿が、不思議でしょうがなかった。

技術が優れていないとそんな事は出来ないけれど、その人は人間としてとても魅力があった。

日本でも、NYでも支持される美容師は魅力的に見える。

他人とは違う何か秀でた魅力もあれば、誰にでも愛される様な魅力なんかもある。

魅力の表現の仕方は恐らくNYの美容師の方が上かな!?

NYのヘアサロンは、みんなそれぞれのプレーヤーがたまたま同じ場所に居合わせて、

一つのサロンが出来ているだけに見えた。

昨日同じサロンにいた仲間が、明日には並びのサロンで何食わぬ顔で働いている。

そんなのは日常茶飯事だった。まったくもって、「チーム」は感じなかった。

日本人として学ぶべき厳しい面は沢山勉強させてもらったけれど、

その風習の中で一生美容師をやって行く気には到底なれなかった。

外を見て気づく事って沢山あるし、外を見ると何でも良く見える事は多い。

自分にとってのNY生活は、期待外れで、期待通りで、楽しくて、辛くて、嬉しくて・・・

でもごちゃごちゃ、ぐちゃぐちゃで楽しかったかな!?

とりあえずNYってどんなんですか?と聞かれると、

「大阪みたい」と応えるようにしている。

NYに憧れていて、行ってみたいと思っている美容師の方々、参考になりませんね。

(オチも何もないお話ですいません。『昔々②』はまたいつか。)

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